非安定マルチバイブレータ【回路設計の基礎】

Last modified on 07/18/2018.

【回路から設計をしよう】

目的
①設計の基礎を理解できる。

非安定マルチバイブレータ
非安定マルチバイブレータは、トランジスタを利用して一定時間ごとにON-OFFを繰り返す回路である。また、無安定マルチバイブレータとも呼ばれる。ON-OFFを繰り返すということは、一定周期、もしくは、周波数の交流を生成していることになり、発振回路の一つとして利用できる。その回路図は下の通りで、左右対称な配置と、中央で配線がクロスしているところが特徴である。LEDを付加している下の回路は、踏切の遮断機の警告灯のようにLEDが点滅する。

回路設計
回路設計では、まず、LEDの順方向電圧が2Vであることを思い出す。そのため、電源電圧は2V以上必要だということになる。今回は単3乾電池2本の3Vで動作させることにする。このときの電流制限抵抗は、LEDに流す電流を10mAとすれば
R3=(3-2)[V]/10[mA]=100[Ω]
となる。同様に
R4=(3-2)[V]/10[mA]=100[Ω]
である。
次に、トランジスタを考える。トランジスタは、現在、一般的に出回っている2SC1815を用いる。その規格を調べてみると、コレクタ電流の絶対最大定格が150mAで、先ほど求めたLEDの点灯のための電流を流してよいことが分かる。トランジスタは増幅作用とスイッチング作用があり、どちらも、ベース電流とコレクタ電流の関係は増幅率で決まる。データシートを見るとhfe=100となっているので、コレクタ電流に10mAを流したいとするならば、ベース電流は100μAを流せばよいことになる。したがって、ベース電流に対する保護抵抗は
R1=3[V]/100[μA]=30[kΩ]
となる。実際は、トランジスタのベース―エミッタ間電圧の0.7[V]を考慮して
R1=(3-0.7)[V]/100[μA]=23[kΩ]
と計算する。今回の手持ちのパーツには、23kオームはなく、それに近い値は10kΩなので、10kΩを使う。10kΩを使った場合、エミッタ電流は計算上では23mAとなるが、LEDの保護抵抗によって、10mA程度の電流しか流れないことになる。
コンデンサは抵抗とともに時定数として機能する。時定数は
t=αCR
のようにあらわされ、コンデンサの容量が大きいと時定数が大きくなる。実際にコンデンサの容量を変化させると、点滅の速度が変化することを確認できる。ここでは、点滅の周期を1秒(点灯時間が0.5秒、消灯時間が0.5秒)程度となるように、コンデンサの値を100μFにする。
以上の設計手順によって、各素子の値を決めることができる。LEDの明るさを変えたいときは、LEDの電流制限抵抗の値を変えればよい。点滅の周期を変えたいときは、時定数(CR)の値を変えればよい。その設計の中で、データシートを確認し、絶対最大定格を十分に下回り、電気的特性で示されているくらいの電圧や電流で駆動させることを意識すべきでる。

回路製作
設計した非安定マルチバイブレータの回路は、すぐにブレッドボードで配線し、その動作を確認できる。下に作成例を示す。

multivibrator


シンプルタイマ【ゆっくりスイッチング】     【光と音】      信号機【コンデンサで点灯時間を調節する】