電子オルガン【周波数を変えて音階を作る】

Last modified on 07/18/2018.

【周波数を変えれば音階ができる】

動作概要
タイマIC で発振させた信号にスピーカをつなぐと、純音ではありませんが、発振周波数に合わせて音階ができます。抵抗の値を複数準備しておけば、オルガンのような音階を持つ楽器が作れます。可変抵抗もつないでおけば、チューニングも可能です。
今回は1 オクターブの「電子オルガン」を製作していきます。タイマIC の周波数を決めるところだけを注意すれば、本格的な白鍵と黒鍵のあるオルガンも製作できます。ブレッドボートに収まるように工夫して作ってください。

パーツリスト
タイマIC LMC555 1個 20円
可変抵抗100kΩ 8個 320円
カーボン抵抗1kΩ 1/4W 1個 1円
カーボン抵抗10kΩ 1/4W 1個 1円
積セラコンデンサ0.1uF(104) 2個 20円
圧電スピーカ1個 25円
タクトスイッチ8個 80円

タイマIC のデータシートから
LMC555 のデータシートを見てみると、50%デューティーサイクルオシレータの周期と周波数は
f =1/1.4RcC
T = 1.4RcC
で決まることが記載されています。
オルガンを作るにあたって、1 オクターブの音階を奏でるための周波数[Hz] は下の通りです。各音階に対してタイマIC の周波数の計算式に当てはめて抵抗RcとコンデンサC の値を決めることができれば、電子オルガンは完成します。しかしながら、計算式で求められた値から抵抗とコンデンサの値を一意に決定することは難しく、素子の誤差もあります。そのため、可変抵抗器を用いて、周波数の微調整は可変抵抗で行えるようにします。楽器のチューニングと同じです。

音階と周波数[Hz]
ド  261.6
ド# 277.2
レ  293.7
レ# 311.1
ミ  329.6
ファ 349.2
ファ#370.0
ソ  392.0
ソ# 415.3
ラ  440.0
ラ# 466.2
シ  493.9
ド  523.2

回路の設計
タイマIC を用いてオルガンを作りますので、まずはタイマIC のデータシートの50%デューティーサイクルオシレータをそのまま作ります。このとき、リセットさせることはないので、リセットの4 番ピンは常に電源に接続します。抵抗のRc はチューニングできるように抵抗器と可変抵抗器の直列接続にします。また、音階を増やすために可変抵抗器を鍵盤の数だけ追加します。タクトスイッチを押したときに音が鳴るようにしたいので、それぞれの可変抵抗器と直列にタクトスイッチを接続します。さらに、出力は音声なのでスピーカーを接続します。今回は少ない電流で音を鳴らしますので、圧
電スピーカにしました。この回路は下のようになります。

organ

周波数を変えれば音階ができる
1 オクターブの音を奏でるためには、タイマIC で250~550Hz くらいの信号を生成すればいいことになります。タイマIC の周波数の計算式から、250Hz を生成するには
250 =1/1.4RcC
RcC =1/350= 2.857×10^3
のように計算できます。550Hz を生成するには
550 =1/1.4RcC
RcC =1/770= 1.299×10^3
のように求められます。今回の回路ではコンデンサの値は一意に決定して、抵抗の値を変化させることで音階を決定しています。このようにして、抵抗の値を変化させることで音階を決定する回路はたくさんあります。

素子値の決定
先ほどの計算結果から、RcC の値は、2.857×10^3から1:299×10^3の値を含むように決めればよいことになります。抵抗はkΩ、コンデンサはuF と決めれば×10^3のところは無視できるようになります。コンデンサは積層セラミックコンデンサの0.1uFに決定します。固定抵抗器は1kΩ にしました。この結果、可変抵抗器が0Ω のときにはRcC = 0.1×10^3となります。可変抵抗器を最小にしたときに、わずかに抵抗値があったとしても大丈夫そうです。もう一方で、RcC = 2.857 ×10^3を超えるため、可変抵抗器は30kΩ くらいが必要です。ここでは、100kΩ の可変抵抗を利用することにしました。これらの部品をブレッドボード上で配線すればできあがりです。
鍵盤にあたるタクトスイッチを押しながら可変抵抗を調整して周波数を決定すれば、電子オルガンが完成します。タクトスイッチを二つ以上同時に押した場合、可変抵抗の値が並列接続の合成抵抗になるため、予想していない周波数の音になってしまいます。


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