電子ルーレット【カウンタはクロックで動く】

Last modified on 01/11/2018.

動作概要
ジョンソンカウンタを用いて電子ルーレットを作ります。今回は74HC4017 の10 進ジョンソンカウンタを用います。ジョンソンカウンタは、例えば3つの出力であれば、000→001→011→111→110→100→000→・・・のように出力されます。このICは、ジョンソンカウンタの後段にデコーダがあり、10 個の出力のうちのどれか1 つだけがH レベルになり、残りの9 つの出力はL レベルになるカウンタです。動作だけを見ると、2 進数で出力されるカウンタにデコーダが付いたもの、もしくは10 進で1 ビットだけがH レベルになっているリングカウンタと考えられます。
カウンタにはフリップフロップが使われており、そのフリップフロップを動作させるためにはクロックが必要になります。このクロックには、以前作成したタイマIC555 のパルスを用います。タイマIC555 の発生するクロックの速度に合わせて、カウンタが動作します。

パーツリスト
タイマIC LMC555 1個 20円
ジョンソンカウンタIC 74HC4017 1個 100円
可変抵抗100kΩ 1個 40円
カーボン抵抗470Ω 1/4W 1個 1円
カーボン抵抗1kΩ 1/4W 1個 1円
カーボン抵抗10kΩ 1/4W 1個 1円
積セラコンデンサ0.1uF(104) 1個 10円
電解コンデンサ22uF 1個 10円
LED 5mm 赤10個 50円
タクトスイッチ1個 10円

ジョンソンカウンタIC のデータシートから
ジョンソンカウンタのデータシートの特長を見てみると、動作電圧範囲が2~6V と記載されています。また、ピン接続図があり、IC の端子に対する機能がアルファベットの記号で書いてあります。この記号はその後にある論理図に対応しています。論理図ではIC を四角で表してあり、その左側から信号が入力され、IC で計算されて、右側に出力されるように記載されています。すなわち、CE、CK、CLR の3 つが入力で、Q0からQ9 までとCARRY OUT の11 この信号が出力されることになります。IC に必要な電源とグラウンドは省略してあります。
真理値表やタイミングを見ると動作が分かります。CLR とCE がともにL のときに、CK のパルスの立ち上がりによってカウントされます。また、CLR がL でCK がH のときに、CE のパルスの立ち上がりによってカウントされています。今回はタイマICで生成されたクロック信号をCK に入力することでカウントさせることにします。そのため、CLR とCE はともにL にしなければならないことが分かります。

回路の設計
設計した回路は下図です。まずは、タイマIC555 を用いて、50%デューティーサイクルオシレータの回路を作ります。その出力をジョンソンカウンタのクロック入力であるCK の14 番ピンに接続します。次にデータシートで確認した通り、CLR とCE はともにL にしなければならないため、CLR の15 番ピンとCE の13 番ピンをグラウンドに接続します。
roulette
Q0 からQ9 までの出力の番号とIC の端子の順番は異なっています。すなわち、Q0は2 番ピン、Q1 は2 番ピン、Q2 は4 番ピンのように規則正しくありません。そのため、出力信号を目で見られるようにそれぞれの出力にLED を付けるとき、光る順番を意識してLED を配置したり配線したりする必要があります。LED には電流制限抵抗を接続します。通常は1 つのLED に1 つの電流制限抵抗を繋ぎますが、ジョンソンカウンタは出力のどれか一つだけしかH になりませんので全てのLED をまとめて1 つの電流制限抵抗にしています。このように出力同士を接続した場合、信号の逆流に気を付けなければなりません。今回の回路ではLED が一方向にしか電流を流しませんので問題ありません。CARRY OUT は桁上がりのことです。今回はこの信号は利用しませんので何も配線しません。
IC に必要な電源とグラウンドを接続しなければなりません。電源は16 番ピンのVccに繋ぎます。グラウンドは8 番ピンのGND に繋ぎます。IC を用いるときには、電源のノイズを低減するためのバイパスコンデンサをIC のすぐ近くに接続します。ロジックIC では未使用の入力端子をオープンにしないことが重要です。TTL IC であれば未使用の端子はHigh として動作しますが、ノイズに弱くなってしまいます。また、C-MOS IC の場合、未使用端子はH レベルかL レベルかが決まらず不安定となってしまいます。さらに、同じIC 内の未使用素子の入力端子もオープンにしてはいけません。今回、CARRY OUT だけは何も接続していませんが、この端子は出力ですので問題ありません。

カウンタはクロックで動く
ロジックIC のカウンタはクロックパルスの立ち上がり、もしくは、立ち下がりで動作します。今回のジョンソンカウンタも同様です。この立ち上がりや立ち下がりで動作することを確かめるためには、タイマIC で生成されるパルスを視覚認識できるくらいに周波数を低くすれば、LED でH レベルかL レベルかを確認しながらジョンソンカウンタの出力を見ると分かります。また、クロックパルスの周波数を高くすればジョンソンカウンタの出力は全てが点滅しているように見え、タクトスイッチによってタイマIC をリセットして停止させたときにだけ、ジョンソンカウンタの出力の一つが点灯し残りは消灯するようになります。このようにして、ルーレットとして動作させることができます。

素子値の決定
タイマIC555 を用いた50%デューティーサイクルオシレータの回路の素子値については、その項を確認してください。
今回の注意点は、タイマIC555 とジョンソンカウンタIC を同じ電源で動作させるところです。タイマIC では電源電圧は1.5V から15V まででした。ジョンソンカウンタIC では電源電圧は2V から6V までになっています。出力させた信号でLED を点滅させることから、LED の順方向電圧よりも高くする必要があります。以上のことから、乾電池2 本の3V を電源として利用することにしました。バイパスコンデンサは0.1uF、電流制限抵抗は470Ω にしました。